ロープ技術者にとって、力学は必須科目と考えています。
それはロープで扱っているものは、力そのものだからです。
ロープがはられた状態や移動経路、ロープを張る計画経路のことを一般に「ライン」と呼びます(スキーのラインどりや、釣りのラインと一緒の感覚)。
このラインは、とどのつまり数学上のベクトルと一致する...と捉えて差し支えないと考えています。ロープを見ればベクトルがわかるのです。
ベクトルは古典力学に含まれる科目であり、高校の物理にも取り上げられる物理という学問の基本概念です。
いま私は、「摩擦の話」という本を読んでいます。
1971年に出版された本ですが、これが面白い。
ロープを触りはじめて間もないひとにびっくりされる技術のひとつに「フリクションヒッチ」があります。ロープにロープを複数回巻きつけただけの簡単な接続方法ですが、ロープを傷つけず接続箇所の変更が容易な事からさまざまな場所で利用されています。
これはメカニカルデバイスになれた人にとっては衝撃です。オートマチック4輪自動車になれた人が、マニュアルの2輪に乗るような衝撃を受けます(わかりにくいたとえ?)。
この本は、一冊を通して摩擦の正体について話を進めていき、核心に迫ります。
それらは主に以下のような内容についてをまとめていく作業となります。
この一冊は、工学を志す人のための良書...だけでなく、ロープ技術者のための良書でもあると強く感じました。
日常生活に摩擦は重力のごとく当然の摂理として人間生活に溶け込んでいますが、ロープ技術を深く理解するためには摩擦の知識は無くてはならないものです。
ロープ技術.....
いや、ロープそのものを形成する糸...すら摩擦がなければ成り立たない。
ロープ、下降器、リムウォーク、ポータラップ...これも摩擦あれも摩擦!
日常の合間の読書、幸せなひととき。
Posted by norimitsu.i at 8:20 日時 2021/03/17
トピック
- 講習・イベント情報
-
業務実績
- 防災・インフラ保全事業
- 教育・イベント事業
- 日記
- メディア掲載
- 経営的告知&採用情報
- WEBサイトの管理人から